今回から何回かに分けて、当社で販売している修理用パーツの改造や加工方法を写真で解説したいと思います。
この加工がなぜ必要なのかと申しますと、当社の販売しているパーツは、専用部品(専用部品のため加工の必要が無い。)もありますが、汎用部品も多く販売しています。
汎用部品は、複数の機種に適合しますので、各種サイズが大きい又は、小さいが多少あります。
例えば、ボイスコイル(以下VCと略す。)で、VCの内径は、適合するが、VCボビンの高さが高いため、オリジナルと同じ仕上がりにするためには、その高い部分を切り取ることが必要になる場合があります。
加工テクニックに幅があると、汎用部品を使用した場合でも、よりオリジナル部品に近い仕上がりが期待できます。 そのための各種改造や加工テクニックを解説するコーナーをこの店長日記のコーナーに設けました。
まず、第1回目は、ダストキャップの改造です。
直径が大きめ汎用ダストキャップを、オリジナルに近い大きさにしたいという設定で改造します。
当社のラージタイプのペーパーダストキャップDCP4406は、直径110.91ミリで、JBLの38センチウーファーに適合します。
ただ、すこし大きいので、DCP4125 の104.78ミリまでサイズダウンしたいという設定です。
まず、使用する道具です。 円形カッター(オルファ社)、ノギスや物差し、サンドペーパー240番程度 があれば結構です。
1 まず、オルファの円形カッターですが、替刃を交換して、シャープな切れ味の状態で作業開始してください。直径を小型化しますので、半径58.0ミリを円形カッターで設定します。 この半径は、ピタゴラスの定理で算出可能ですが、私の場合は、試行錯誤でこの値になりました。
2 次に円形カッターの支点(針を刺す箇所)決めですが、DCP4406のほぼ中心に支点を設定すればよいです。ど真中に支点を設定する必要はありません。なぜならば、ダストキャップは、球体を切り取った形状ですので、範囲内ならどこを切り取っても同じです。
3 支点が決まったら、そこに円形カッターの針を刺しては、いけません。小さな針穴でも、ダストキャップに穴が開くと拙いので、円形カッターのキットに入っているプラスチック製の保護用支点(粘着性のあり)を付けて、写真のように切取ります。よく切れますので、支点のずれに注意して切取ります。切断が完了後は、プラスチック製の保護用支点を跡が残らないように、丁寧に取外してください。
4 切取った後は、サンドペーパーで切り口を整えましょう。
5 写真は、DCP4406のビフォー アンド アフターです。ご覧のとおり大きいダストキャップを一回りサイズダウン出来ました。