JBL用リコーンキットのボイスコイル その3です。
前回までに38センチ用の主要なボイスコイル(以下省略してVCと表記します。)が終わりましたので、最終回として小口径用のVCをご紹介いたします。
#KVC6125-8
LE8T用の内径51ミリのVCです。
まず、型番のKVCという意味は、カプトン製のVCであるということです。
カプトンとは、米国のデュポン社が開発した素材で、耐熱、電気絶縁性、磨耗性に優れた素材です。
VCでは、フィルム状にしてボビンとして使用しています。
JBLオリジナルは、アルミリボンエッジワイズ巻きで放熱穴があります。
それに対してKVC6125-8は、丸銅線を使用しているため、磁気効率を高めるためにコイルを二重に巻いています。
コイル線は細く折れやすいので、作業中に注意が必要です。
#1600-8
25センチ口径の2121用です。内径76.2ミリです。
このVCは、汎用で、ほかのキットにも使用されています。
例えば、アルテック421、416用として使用されます。
また、このVCの16Ω仕様は、アルテック515Bに使用されています。
#1599-8
E110用のVCです。前の#1600-8より巻き線が少なくボビンの高さが低いので、軽量化して反応の良い音を狙ったVCです。
銅リボン線エッジワイズ巻きです。
#1655-8
123用のVCです。前の#1599-8と全く正反対の重いVCです。
コイルの巻き幅が、20ミリ以上あり、重さも22グラムあります。
低域のレンジを広げたVCです。
#1660-8
LE10,2213,2214用のVCです。
前の#1655-8よりもコイルの巻き幅が広く、ボビンの背も高いVCです。
内径76.2ミリの一連のファミリーでは、最も重いVCです。
これも重いため能率よりも低域のレンジを広げる意図のVCです。