パラゴンは、販売開始が1957年で約60年前です。
当時の製作に携わった職人さんも少なくなり、パラゴンの真実が、伝説化しているように思います。
私もパラゴンレプリカ製作にあたって、パラゴンの真実を探求しています。
パラゴンほどになると、最初からあの画期的な美しい造形が出来たのではないようです。
いくつかのプロトタイプが製作されて最終的に皆様がよく御存じのあの形になったと思われます。
私が、これまでに把握したプロトタイプは、以下です。
なお、ネットで閲覧できる写真等は、所有者の了解を得ていませんので、公開できません。
コメントの細部は、想像で書いた面もありますので、真実ではないかもしれません。
1 パラゴン&メトロゴンのハイブリットプロトタイプ(製作年不明)
中央のリフレクターは、大きさは正確に合わかりませんが。メトロゴンと同じカーブです。
従ってカーブの緩いパラゴンより小ぶりです。
中央は、メトロゴンそのものですが、両サイドの形状は、パラゴンに類似しています。
パラゴンとメトロゴンのハイブリットの形状です。
一般的なパラゴンの中音ホーンの箇所に30㌢口径のウーハーが小型の立方体の箱に入って設置されています。
これは、パラゴンと呼べるものではないかもしれません。
思うにこのモデルが一番早い時期に製作されて、パラゴンとメトロゴンに派生したと思われる形状です。
2 飾り足のないプロトタイプ。(製作年不明)
見かけは一般的なパラゴンにかなり近いですが、あの優美な造形の 飾り足がないタイプです。
またユニット配置ですが、なんと075ツィーターが375よりかなり下に設置されています。
米松合板がふんだんに使用されています。
中音ホーンは片側のみ固定されています。
飾り足はありませんが、底板にメタルの保護材が付いた短い足がついています。
ユニット構成は、075+375+150-4Cです。
3 足の短いパラゴン(製作年1957年頃)
1957年のJBLパラゴンの専用カタログをご覧ください。
正面からのパラゴンの写真が何か違和感がありませんか。
よく見ると足が短く、しかも飾り足の形状も一般的なパラゴンと異なります。
カタログ上は見たことがありましたが、この形状で販売されたものは、見たことがありませんのでプロトタイプとさせて頂きました。
4 スタジオ用パラゴン これも1957年のJBLパラゴンの専用カタログからです。(製作年1957年頃)
家庭用ではなく、スタジオの壁埋め込み用パラゴンです。
簡単に言うと生産型のパラゴンの天板、底板、側板、リフレクター板を取り去った形状です。
壁に埋め込むよう設計されたようで、装飾が全くありません。 。
カタログで見たのみで実際に設置されたものを見たことがありません。