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今年1年間、皆様 お買い上げたいへんありがとうございました。
今年も、新製品の取り揃えに努めて、取り扱い商品もかなり増えました。
しかし、1950年~80年代のヴィンテージスピーカーのパーツの中には 入手困難なものも多く、
お客様には、ご不便をおかけした場合も多くありましたのでお詫びいたします。
また、主に輸入品であり製品の品質が劣るものもあり、これも反省材料です。
来年も、お客様のニーズにお応えした製品を販売いたしますのでよろしくお願いいたします。
ここから店長の今年の回顧と来年の目標です。
オーデイオをはじめて数十年来の念願である米松合板を輸入することが出来ました。
この材料は、JBL のキャビネットのレプリカを制作するのに必要ですが、国内では殆ど入手できません。
1月に現地で買い付けして入荷したのは、7月下旬でした。約半年費やして本当に困難な輸入でした。
19㍉厚マリン米松合板を使用した パラゴンレプリカ
今年 4月末に納品したパラゴンレプリカ
2019年の目標としては、米松合板を使用して パラゴン・ハーツフィールド(初期型)・Altec H110(A 5
オリジナル用の 大型キャビネット)の各レプリカの制作に挑戦したいです。
試聴用の300Bシングルアンプ(モノブロック2台)の制作も予定しています。
パーツは、1月のアメリカ旅行などで集めました。 トランスとシャーシがまだ未調達ですが、
年末までに音出し出来たらと思っています。
この製造ロットで、はじめて突板を貼り始めました。
少し慎重に作業しています。
なぜかと申しますのは、マリン米松合板(19㍉厚)に貼るのこれまで経験なかったからです。
突板貼りで重要なことは、下地が大事です。
塗装と同じで下地の欠点が表面に出るのです。
そうならないために、下地の処理が大切です。
まず、小さいパーツから貼っています。突板貼り専用のべニアハンマーで何度も浮上がりを押さえます。
下の黒い部分が突板を貼った部分です。 出っ張った突板をカッターでキレイにカット出来ると、やはり木工はやめられないという気分になります。
重しを置いて、突板を貼った箇所を押さえています。 タイトボンドⅢは、やはり一番優秀な接着剤の一つです。
これまで、C45 メトロゴン(9台 製作完売 )、D55000 エべレスト(1台制作 非売品)、C44 パラゴン(9台製作完売・3台制作中)、
C41アンジェラス(1台製作 販売中) のレプリカを制作してきました。
現在パラゴンレプリカの制作販売中です。それに加えて ハーツフィールド (初期型)の図面整備中です。
いろいろプランがありどれも進んでいません。
以前から、気になっていたAltec H110というホーンボックスがあります。
これは、A5(オリジナル)の初期型に使用されていたものです。
日本には、多くて数セットしか輸入されていないと思います。
通常のA5は多いですが、このH110ホーンのA5は、本当に希少です。
使用の了解を得ていませんので、写真は掲載できませんが、下記のショップで販売されていましたのでご覧ください。
https://ameblo.jp/lajazzaudio/entry-12127058854.html
丁度A7の箱を1.5倍の大きさにした低音ホーンです。
A7とこのH110を並べると大きさは、大人と子供くらいです。
しかし製作するには、大きすぎます。(横125㎝X高132㎝X奥行90㎝ 容積(外寸) 1,500㍑)
しかも米松合板の横幅は、122㎝ですから歩留まりが悪いです。
工房のドア幅は、約80㎝ですからやはりこのままの大きさものは、運び出せません。
製作するとしたら、苦渋の決断になりますが、約80%の大きさになると思います。
今、情報収集しています。
弊社で販売しているパラゴンレプリカ等のキャビネットは、すべて塗装仕上げしています。
塗装は、非常に奥が深く難しいものです。
これまで、数多くの失敗を繰り返してきました。(販売した製品は、やり直して納品していますのでご安心下さい。)
その失敗の多くはスプレー作業中の、以下のものです。
1 スプレーの塗料カップなどから漏れる塗料と水滴による微細なシミです。
作業範囲がいくら大きくても一点でもシミが出来るとそこだけが目立つのでやり直しです。
2 スプレーのアトマイズ(スプレーを霧状にする機能で、塗料粒子が均一で小さい方が良い)の調整が難しく、
大きいとミカン肌になったり、塗料が垂れる。
これらの失敗を繰り返さないために、新しいスプレーガンと塗装カップシステムを導入しました。
スプレーガンは、アネスト岩田のLS400(低圧ガン)です。
以前に購入していましたが、自動車塗装専用です。
おそらくこの最高峰のスプレーガンを木工に導入した例は、殆どないと思います。
アトマイズ機能が秀逸ということで導入しました。
塗装カップシステムは、スリーエムのPPS塗装カップシステムです。
これは、塗料で汚れがちな作業現場で、漏れを皆無にして作業効率を目指すものです。
スプレーガンと塗料カップです。上に塗料カップが付いていますので、重力で塗料が円滑にノズルまで出てきます。
カップ容量は400CCです。
まず水を入れて、振ってみましたが、一滴も漏れません。また各部品ともぐらつきが無く確りと接合されています。
これが優れ物の接合部です。この部品で確りと接合して漏れないのです。
塗料カップは二重です。左側のカップは外枠です。 右側のカップは内側に入れるもので、柔らかく密閉性があり、使い捨てです。
欠点は、やはりあります。 ランニングコストが高いのです。失敗して納期のプレッシャーを受けるよりも、安心して作業出来る方が
ずっと良いと思っています。
JBL C41 アンジェラスのレプリカを制作してみました。販売いたします。
パラゴンレプリカの制作で、米松合板を入手出来たので、以前から気になっていたので、制作してみたのです。
独特の形状のバッフルの制作に工夫がいりました。
また、アクセントになっている3本脚もアルミ材から削ってみました。
制作中のパラゴンレプリカと全く同じ仕上げ(ウォルナット突板 50%艶消し塗装仕上げ)にいたしました。
以下 JBL C41 アンジェラス レプリカ 特長等です。
使用材料 米松合板 ACサンド級(通称グッドワンサイド)
米松材
ウォルナット突板 50%艶消し塗装仕上げ
アルミ無垢材の脚 (脚裏にはフェルトを貼りキャビネットのキズ防止対策しています。)
シンチ社 ターミナルブロック 2極 #2-142
ウェスタンエレクリック 22AWG 単線
大きさ 幅350㍉ X 高さ170㍉ X 奥行130㍉(突起物含む)
重さ 3.8㎏ (075装着時)
備考 075は、4本の木ネジで装着
裏蓋は、4本の木ネジで装着
3本の脚は、ネジで装着
付属品 075 装着用 木ネジ 8個(ペア分)
ウェスタンエレクリック 22AWG 単線 60㎝(ペア分)
フラッシュの影響で黒っぽく見えます。複数回にわたり塗装してサンドペパー掛けを行って、このように厚く塗装いたしました。
これもフラッシュによる撮影です。バッフル板の突板の木目は、上部の逆三角形は、上下に連続しています。 下の残りの部分は、
左右水平に連続しています。 左側板→天板→右側板と木目が連続しています。制作中のマリン米松合板製のパラゴンレプリカに
載せて撮影しました。
075は、アルニコタイプです。おそらくフェライトタイプは、マグネットが出っ張っているので、取付出来ないと思います。
バッフル板の断面です。厚い部分は、20㍉以上あります。
アルミ無垢材の3本脚です。 脚裏にはフェルトを貼りキャビネットのキズ防止対策しています。 箱の底面ですが、表面と同じ
塗装仕上げしています。
シンチ社 ターミナルブロック 2極 #2-142 です。 太いケーブルを繋ぐことは出来ませんが、
確りとネジで締めることが出来ます。
ボックスは、強固に製作いたしました。4角に、米松材補強を入れています。 バッフルを除く、残りの5面は、厚さ12.7㍉(1/2インチ)
の米松合板ACサンド級(通称グッドワンサイド)を使用しています。
075は、4本の木ネジで確りと装着しています。馬蹄型のフレームも木ネジで装着可能です。