店長&スタッフ日記
DD55000 エベレスト レプリカボックス製作 8 試聴の感想
2015年02月11日
DD55000 エベレスト レプリカボックス製作 7 試聴の感想です。
まだ各接合部分を接着剤や木ネジで固定していないのですが、その状態で試聴を繰り返し行い、このスピーカーの特色等がはっきり把握できましたので、レポートいたします。
◎試聴条件
スピーカーボックス;DD55000 エベレスト レプリカボックス
使用材料: 1 1/8in厚(28.6㎜)米松合板 80% 米松材15%、3/4in厚(19㎜)MDF5%
高さ145㎝、幅95㎝、奥行60㎝、重さ約150㎏(ユニット含む)
使用 ユニット ツィ-タ-: JBL 2405H
ドライバー:JBL 2420
ホーン:JBL 2346(ホーンの広さ タテ56.5㎝×ヨコ69.0㎝)
ウーハー:JBL 130A(ガスケットを12㎜嵩上げして、150系のコーン紙を装着している。)
ネットワーク:JBL 3115 500Hzでウーハーとドライバーをクロス ツィ-タ-は、5000Hzでローカット
◎特色を箇条書きいたします。
1 第1印象は、音が大きくなり、音圧が感じられるようになりました。
メトロゴンと同じユニット構成ですが、エベレストの箱の方が明らかに音が大きく感じます。
パワーアンプのゲインはいつも固定していますが、プリアンプのボリュームは、10時半くらいから9時になりました。
これは、ボックスの構造の違いだと思います。
エベレストは、箱の容積が大きく全てのユニットが直接音でリスナーに届きます。
一方メトロゴンは、、中央のリフレクターに反射して間接音を聴く事になりますのでエベレストの方が音が大きく感じられます。
また2346ホーンが、巨大ですがドライバー自体は、小さいのですが出てくる音は、ホーンの大きさに比例して力強く大きいです。
2 中音ホーンJBL 2346の音場再現は特殊です。
巨大なホーンから出てくる 音が部屋いっぱいに広がり、かなり中心から外れたオフセンターでもステレオ再現の音楽が楽しめます。
JBL 2346ホーンはJBLではデファインド・カバレージ・ホーンと呼ばれています。
このホーンの特性を極簡単に言うと、正対して聴くと指向性が弱いホーンの部分からの音を聴くことになります。
一方オフセンターで聴いた場合、指向性が強いホーンの部分からの音を聴くことになります。
このホーンを左右に対称配置した場合に、音の時間差を相殺できる効果があり、中央で聴かなくても音像定位が殆ど変化しないの
です。
例えて言うならば、現在流行しているプロジェクションマッピングのようにスピーカ―を設置している壁面全体に音が広がる感覚です。
左右上下に音が広がるホーンです。
JBL歴代のトップモデル ハーツフィールド、パラゴン、DD66000新エベレストなどは、どれも4インチドライバーと38cmウーハーの組
合せですが、このDD55000 エベレストだけは、小さい2425Hを使用しています。
2425Hドライバーでは、パワー不足ではないかと思われますが、この小さなドライバーで十分のなのです。
2346ホーンが巨大でその音量が、巨大なウーハーボックスが出す低音にも引けを取らないからです。
3 リスニングルームの何処で聴いても音量は、ほぼ同じに聴こえます。
不思議な現象ですが、 2346ホーンの大きな特徴です。以下JBLの資料からの2346ホーンの特性の説明です。
リスニングポイントからスピーカーまでの距離をHとすると(スピーカーに正対しての距離をHとする。)、高さは2H、横幅は、2.75Hのス
ペースならば、どこで聴いても同じ音量の音を供給できるようです。
普通のスピーカーなら、スピーカーの直近ではうるさくなり、遠くになると音が小さくて聴き取りにくいということになってしまいます。
しかし、この2346ホーンは、スピーカーに近い位置への音圧は低く、一方、スピーカーから遠い位置に提供される音圧は高くなりま
す。
2346ホーンは、奥行H、高さ2H、横幅2.75Hのリスニングエリア内のどこでも同じ音量で聴こえるそうです。
この記述は、片方のチャンネルについて述べましたが、実際のリスニングルームでは、左右に設置しますので、記述のようなことが
左右クロスで聴こえるわけです。また、リスニングルームの何処で聴いても同じ音量に聴こえるような気がしますが、公共のホール
等に比べて圧倒的に狭いので、あまり顕著に感じません。
4 強いて挙げれば、欠点は、センターの定位がぼやけるような気がします。
ボーカルなど聴くと通常のスピーカーでは、センターにボーカリストがくっきり定位します。(ソースの録音次第ですが。)
この2346ホーンでは、明確ではありませんがその傾向がぼやけるような気がするのです。
しかしボーカリストの声がぼやけることはなく、明瞭に聴こえるのです。
おそらくこの現象は、前述したサービスエリアの均一音量が要因かなとも思えます。
5 ツィ-ターバッフルもホーンの一部を構成している巧みな設計と思います。
ツィ-ター(2405H)バッフルもホーンの一部として設計しているので、音質に好影響していると思います。
ツィーターバッフルがある影響で、音が更に前に力強く出るような気がします。
6 ドライバーとツィ-ターの高さを揃えることで、音像がシャープになっています。
当初ツィータ―を取り付けずに2ウェイで聴いていました。
上記4のような気になる点もありましたが、2405Hツィーターを追加して取り付けると音像がシャープになりました。
7 音量がローレベルの方が、音楽再現が自然に感じます。
ボリュウムを上げるとうるさくなる傾向があります。
これは、使用しているネットワークのクロスオーバー周波数が影響していると思われます。
オリジナルのエベレストは、850HZと7500HZでクロスさせています。
2420ドライバーを500HZまで使用しているので、2346ホーンもスロート部分が鳴いています。
クロスオーバー周波数の改良の必要ありです。
今後本来の ウーハーにJBLK145(フレームの関係上長い取付ボルトが無かったので未装着)を装着してレポートいたします。