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本日、細部の手直しを行って内部を清掃して完成いたしました。
完成まで約1年かかりました。
第一の感想は、パラゴンは”手間の塊”です。
とてつもない手間がかかります。
木材、突板、ネジ、金属部品、ホーン、塗料、接着剤、その他の材料集めが多岐にわたります。
木材をパーツに加工する方法や手順は、すべて創意工夫です。
図面に作り方など一切ありません。
そのような理由で、オリジナルの図面があっても誰もが製作できるものではないと思います。
リスニングルームに入れて、あの大きくて堂々としたフォルムを見るとこの1年間の苦労も充実感に変わります。
今日は、細部を調整して完成まであと一歩になりました。
残りは、フロントレッグの塗装です。
ここまで長い道のりでしたが、パラゴンレプリカを見るたびに、その造形美と存在感に喜びを感じます。
今日は、ツィーターを取り付けて音出しました。
パラゴンの場合、やはり低音が、良い音になるかポイントになると思います。
パラゴンのボックスは、全体的に薄い素材を使用しているのでよく鳴きます。
また別の要素ですが、低音開口部が小さいので、フロントロードのホーン再生は、どうしても低音が犠牲になります。
ある周波数からスパットと全く低音が出ません。
しかしフロントロードホーンの効果で、能率はバスレフよりも確実に上がります。
パラゴンの低音は、箱鳴きがありますので、どちらかというと豊かです。
私としては、もう少し締まった低音が好みです。
まだ、部屋の真ん中に置いて、調整している状態ですから、壁側に設置すれば、音が変わると思います。
ベルデンのスピーカーコード#8460を使用して内部配線しています。
右側の裏蓋には、JBLのエンブレムを取り付けました。
JBLの場合、ボックスのみの型番はC44です。ユニット組み合わせた場合にシステムの型番は、D44000となるのです。
取り付けた075ツィーターアッセンブリーです。中にうっすらとアルミホーンが見えます。
今日は、ツィーターアッセンブリーを取り付けました。
オリジナルは、ネットから075のアルミの白いホーンが透けて見えます。
075アルニコユニットを取り付ける予定でしたが、減磁気味で、075フェライトにしました。
D55 エベレストレプリカから取り出したユニットですので、お気に入りのエベレストレプリカは当分音出し出来なくなります。
ネットが皺もなくうまく張れました。ネットは光を透しますので昼間の自然光でしたら中の075のホーンが見えるはずです。
馬蹄形フレームの075は、木ネジで3か所留めで簡単です。それより後期の四角いフレームを持った
075は、取り付けが厄介です。私は、アダプターを介して本体に取り付けるようにしています。
JBLのバッジもお遊びで取り付けてみました。
ウーハーの取付けに苦労しました。
取り付けたユニットは、楽器用のJBL K145という40センチウーハーです。
38センチより2センチ大きいだけですがウーハーボックスに収めるのに苦労したのです。
本体の改造はないのですが、裏蓋に穴を開けるなどの改造を行いました。
裏蓋を確り閉めて聴いたのですが、DD55エベレストよりも音圧は上がっているようですが、ローエンドは犠牲になっています。
スピーカーの構造だけでこうも違うのかと思いました。
パラゴンレプリカの裏側です。全体の黒く塗装しています。
JBL K145 です。外側にリングが付いていて一回り大きいのです。
TAD4001ドライバーです。 375よりも約2センチ奥行きがあるので、少しアレンジして装着しています。
写真の向きは、下側が左側になります。
ユニット取付けを行いました。
やはり少し手直しの箇所もありましたので後日修正いたします。
ウーハーJBL K145とドライバーTAD4001を取り付け2ウェイで少し聴きました。
パラゴンの音は、数十年前に聴きましたが、その時の印象は覚えていません。
まだ本来の音ではないようですが、TADドライバーが素晴らしい音質なので、期待感がある音です。
いずれにしてもどう低音を鳴らすかです。
今日は、遂に工房からリスニングルームにパラゴンレプリカを搬入しました。
リスニングルームに入れましたが、横縦ともに巨大という印象です。
大きな塊が部屋を占領しているという感じです。
まだ、フェルト貼、配線、ユニット取付け、フロントレッグの塗装他の作業が残っていますので、音出しはもう少しの我慢です。
まず、使用するユニットです。 JBL K145、TAD4001、JBL075、JBL3115、JBL H5038Pです。
後ろのD55000 エベレストレプリカもかなり巨大ですが、やはりパラゴンは堂々としていてまさに王者の風格です。
パラゴンは、思ったより背が高く、横幅も広いです。
表面が白く見えるところは、反射で他の家具等が映っていますのでご注意下さい。
フロントレッグは、思ったよりも色が濃くなってしまったので、もう少し明るい色に塗り替えます。
ホーンに金具を取り付けてみました。
あの独特ホーン配置が再現できそうで楽しみです。
明日はいよいよ、パラゴンレプリカ本体をリスニングルームへお引っ越しです。
フロントレッグの塗装、金属部品取り付け等行っています。
早くリスニングルーに運んで試聴したいはやる気持ちを押さえて作業しました。
塗装途中のフロントレッグを取り付けてみました。独特位置関係で足を固定しています。
今日は、金属部品を取り付けました。
この部品は、ウエッジクランプです。左右の箱を連結して一体化する金具です。パラゴンは左右の箱を確実に連結するために
、7箇所のダボを使用しています。それだけでは不十分ということで、このウエッジクランプを併用して左右の一体化を確実なもの
にしています。通常はソフトハンマーなどで叩き込みます。
天板前に取り付けている金具は、前面のリフレクターパネルを保持するものです。リフレクターパネル側の溝に
この厚さ約3ミリのレールが嵌り確りとリフレクターパネルを支持します。
パラゴンレプリカ用の金属部品は、殆どが鉄製です。
従って湿気で錆びる可能性がありますので、ペイントしています。
パラゴン レプリカ のパーツです。黒いペイントを施しています。
フロントレッグの下の部分を削っています。
素材は、ミズナラという木です。
ウィスキーの樽の材料で有名です。
生木は多くの水分を含んでいますが、乾燥すると非常に硬く密度のある素材になります。
上の部分はすでに先日削っています。右がオリジナル見本です。オリジナルよりも5ミリ背を高くしています。
まだ太い部分があるので削ります。
フロントレッグの下の部分を削っています。もう少しです。
今日は、パラゴンレプリカの金属部品をご紹介いたします。
パラゴン再現が難しいのは、特殊な形状の金属部品をいくつも準備しなければいけないからです。
どれも既製品は無く一品製作物です。
まず フロントレッグを本体に取り付けるためのパーツです。厚さ3ミリ超で20センチ四方ありますのでかなり大きいパーツです。
手にズッシリと重いパーツです。
375ホーンを本体に取り付けるためのパーツです。これも確りとしたパーツです。
フロントレッグ用のパーツです。直径が約40ミリ前後です。
375ドライバーを固定するためのボルトと蝶ナットです。約30㎝です。
フリントレッグに375ホーンを固定するための金具です。2つのネジでホーンの片端に固定します。
レフレクターを本体に固定するためのパーツです。本体に取り付けたこのパーツの上端が、リフレクターパネルの溝に
接合してリフレクターを確り固定します。 長さが、約70㎝です。
左右のボックスを引き付けて固定するお馴染みのパーツです。
今日もフロントレッグの上部を削りました。
長さが20センチ足らずで小さいのでナイフで簡単に削れると思っていましたが、
オルファ等のナイフでは全く刃が裁ちません。
確りと台に固定して、力を入れて刃物を扱わないと削れません。
刃物が良く切れるときは削りが楽しいです。
パラゴンの製作では、唯一木材削りを行うパーツです。
パラゴン1台完成させるするためには、オールラウンドな技能が必要なことがわかります。
美しい形状のレッグです。下は、オリジナルです。オリジナルは、ウォルナット製です。 上部はミズナラ材を削り出したものです。
正面から見ると細身ですが、パラゴンの象徴的なアクセントになっています。
途中にある黒いリングは、ホーン取付け金具等を巧妙に隠すデザインになっています。
フロントのレッグを上部を削り出しました。
やはりこのパーツの製作は、パラゴン製作の中でも一番難しいものでした。
ノウハウの塊のようなパーツです。
私の記憶では、2種類の形状があるように思います。
私は、設計図を基に忠実に再現しましたが、満足いく曲線が削れたと思っています。
先端が反っているようなカーブを描いています。左から
右から
下がオリジナルレッグです。上が今回削ったパーツです。
黒いリングは、ネジ等を隠すためのデザインです。
最後の難関です。フロントレッグ上部の製作は難しいです。
このパーツは、中音ホーンの端を支持して、しかも上と下のサイズが異なり、さらに角度ついて設置しています。
JBLが昔販売していたオリジナルの設計図は、パーツの製図があるのみで、どうやって製作すればよいか、
あるいは、その製作手順など一切記載がありません。
まるで、当時のJBL社の熟練な職人がパラゴン設計図は、販売しても構わないが、このような製作困難なスピーカーを素人が作れる
ならば作ってみよと言っているような気がします。
だからこそ、パラゴンの製作は、ノウハウの塊で、設計図は有りますが、誰でも簡単に製作できないと思います。
こういうことを約1年考えているうちに、最後の難関です。何とか明日には、解決しそうです。
見本がありませんが、下のフロントレッグの見本の上部のパーツです。
先日、当方の不注意で、23年以上使用している大事なマキタの30センチ丸鋸の安全カバーを壊してしまいました。
原因は、ネジの緩みで カバーがずれて鋸刃に接触して壊れたのです。
20年以上の機械で修理部品が供給されないか、修理が法外に高価で新しいタイプのの丸鋸を購入せざるを得ない状況になると深く落ち込みました。
しかしながら さすがに世界のマキタです。
探せば23年前の機械の補修パーツでもありました。
この丸鋸には愛着があります。
大きいものは、このガレージ兼作業場、メトロゴン、パラゴン、D55エベレスト その他家具などの製作には、殆ど使用している主要な機械です。
酷使していますが電気系統の故障など一切ありませんでした。
マキタのプロ用機械は、信頼性が最高だと思います。
アメリカ製や台湾製機械が台頭していますが、本当の日本製は最高だと思います。
安全カバーを取り去った30センチ丸鋸です。大きいので珍しいと思います。30センチ丸鋸ですので
かなり大きい材もよく切れます。現在フォレストのチップソーを入れています。
平成5年製造です。
補修パーツです。
今日からまた、現場復帰です。
先日粗木取した木片をオリジナルの形状になるように削っています。
ミズナラ材は、目が詰まって硬いので思うように進みません。
先日、パラゴンのオリジナルレッグ(ウォルナット材)を見ていて発見したのですが、
単一の木片ではなく貼物であることがわかりました。
1950年代から80年代にかけて製作されたパラゴンですが、その当時資源に余裕のあった
アメリカでさえ大きい木材が安定供給されていなかったということです。
以前にも2つに割れたレッグを見たことがありましたので、この事実は、間違いないと思います。
右のオリジナルレッグは、写真右辺のところに縦にスジが入っているのが見えますが、そこがつなぎ目です。
わからないように巧妙に接着しています。 左は、ミズナラ材です。
今日もフロントレッグの切り出しを行いました。
木の材質が密で 切り出しは困難でした。
鋸が悲鳴を上げるほど切断に抵抗がありました。
予備も含めて7個製作しています。
面白い木目のミズナラです。 茶色の部分が芯材で、白い部分が辺材です。
境界がはっきりしています。 もちろん丸く削りますので、殆どが芯材になります。
今日は、パラゴンの前足の粗削りを行いました。
メトロゴンとパラゴンを製作してみて、色々な木工の技能が身につきました。
熟練したとは言えませんが、一通りの技能は経験できました。
無垢の木材の加工、合板等の加工、突板貼、木材曲面加工、ウッドレース、ウッドカービング、塗装仕上げ、オイル仕上げ、
その他非常によい経験をさせてもらっています。